とある彫金屋の日常-16-

癖なのです。
しかし、もしかしたら私だけの癖ではないかもしれないのです。

ヤスリ、糸ノコ、時々真鍮ブラシ。

すり板をカンカンしてます。
多分、作業中の、工具を変える時、研磨中のパーツを持ち帰る時、ちゃんと磨けているかルーペに持ち替えて確認する時、とにかくそこで今の手の動きが一旦止まる時に、カンっ!とします。

上方落語でいう場面が変わる時にカン!ってするあれみたいなもんでしょうか。

まぁ、削り粉をすり板から落とすための行動なのですが、そんな粉やゴミがない時でもしてしまうのが、もう癖化している証拠でしょうか。

作業がのっていて集中している時、リューターのハンドピースでもそれをしてしまいそうになる時があります。
そういう時に限って、普通のスチールバーの4倍くらい高い超硬バーを装着している時だったりして、めっちゃ寸前で思いとどまります。
もうそれでカン!とかしちゃったら、私のお気に入りのBusch超硬カッターNo.23SR0.8mの先端が簡単に飛びます。

恐ろしい…。
そして寸前で止まれる私のケチさも恐ろしい…。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です